α7Ⅲ コラム

焦点距離35mmは人生の視点

rin

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福岡在住。
サークル「Photorips」代表。
本業は企業の広報。たまにマーケティング。使用機材はSONY α7Ⅲ、Nikon FE、GRⅢxです。
詳しくはこちら→「どこか遠くへ行きたいと思った」

写真を撮るためにはシャッタースピード、絞り、ISO感度のほかにホワイトバランス、露出補正など、その一枚の「写真」を構成する要素は数多くある。例えば暗い室内でシャッタースピード1/1000、F10、ISO100では写真が撮れないように、そのときの適正な設定を考えて撮らなければならない。

とはいえそのあたりは全て自動でカメラ任せに撮影できる。Pモードなんかは最たるものだ。Pモードで撮るとき、人はただシャッターを押すだけのシャッターマンになる。と思ってる。

僕は基本的にISO、ホワイトバランス、フォーカスをオートで、Mモードで撮影している。(GRⅢxは絞り優先だけどそれはまた別の話)
ちなみに妻のカメラ(SONY α6000)はシャッター優先(室内では1/100、屋外では1/400)に設定して渡している。手振れや被写体振れを防ぐため。

ところでシャッタースピードやら絞りやらはカメラで自動的に設定できるけど、自分自身で選択しなければならない写真の構成がある。
それが焦点距離だ。

今回の記事では焦点距離のなかでも僕が一番好きな35mmについて語っていく。

SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary 1/50,F2,ISO400

35mmは広角か

35mmは広角レンズの枠組みに入るが、一般的なスマホのカメラが換算24mmということを考えるともはや現代社会では広角の域を抜けている。しかし標準レンズとされている50mmほど画角が狭いわけでもなく、スマホの換算24mmほど広いわけでもない。

これは人によって広いとも狭いとも感じるどっちつかずな画角といえる。

僕自身は広角というより標準レンズの域だと考えている。やはり現代社会においてカメラといえばスマホで撮るものだし、そのスマホが換算24mmなわけだから35mmを広角と呼ぶには少々狭い。

35mmは万能

旅行

つまり僕にとって狭すぎず広すぎずな画角の35mmは最も汎用性の高い焦点距離だ。28mmを使うときより画角整理が楽だし、50mmより情報を多く捉えることができる。この観点からスナップ写真だけでなく、旅行にも最適。

SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary 1/100,F5.6,ISO400

旅行では「どこに行ったか」「そこで何を見たか」を写真にわかりやすく収めておきたい。そのほうが後から見返したときに思い出を振り返りやすいからだ。

情報はなるべく多く取り込みたい・画角整理を楽にしたい

この二点を叶える35mmは旅行においてとても扱いやすいのだ。

家族

35mmは家族写真、なかでも小さな子供を写すのに適している。

家の中、公園、外出先など、子供との日常を撮影するのにちょうどいい焦点距離だ。

また子供との距離感的にも自然な形で撮影することができる。わざわざ写真を撮るために自分が下がったり寄ったり移動することはなく、普通に会話している距離で自然なスナップ写真が撮れる。日常の中にある子供との距離を写すのにこれ以上ない焦点距離だと思う。

SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary 1/80,F2.8,ISO200

街スナップ

やはり35mmといえば街スナップ。とりわけ都市におけるスナップで活躍するレンズだ。

街におけるスナップは建物や風景の他に人を配置したいが、肖像権などの問題で顔がはっきり写るものはできれば避けたい。そこで35mmなら風景と人をバランスよく自然に配置することができるのだ。

SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary 1/200,F4,ISO100

広角レンズの特性上、建物の上階がすぼむように歪んでしまうが、35mmは建物を写しつつ、「そこまで広角ではない」ゆえに歪みもある程度抑えられることが利点といえる。

もちろん建築写真に使えるほど歪まないわけではないので、そこは万能ではない。不自然さがない程度には歪まず建物を写すことができる。これが街スナップでは活かされるというわけだ。

SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary 1/500,F7.1,ISO100

シネマ風トリミングのすすめ

撮影した写真を
2.35:1
もしくは
1.85:1
この比率でトリミングすると映画スクリーンで映し出したような雰囲気になる。

SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary 1/60,F2,ISO500 アスペクト比 2.35:1
SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary 1/100,F2.8,ISO400 アスペクト比 1.85:1

35mmは視界をそのまま切り取ったような焦点距離なので、ある程度トリミングをしても不自然な形にはならない。シネマティックなスクリーンアスペクト比にトリミングするだけで、何気なく撮影した写真の雰囲気が一変する。

トリミングのしやすさからも35mmの汎用性の高さがわかる。

SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary

軽量で明るいレンズが望ましい

35mmはあらゆる場面で使いたいレンズだから、いつでも気軽に持ち出して気軽に撮影したい。

そこで重要なのが軽量であることだ。

また室内でも撮りたいから、できれば明るいレンズであればなおよし。軽量で明るいレンズを求めるのはなかなか贅沢なことではある。この場合レンズの構造上トレードオフの関係にあるからだ。
そんな夢を叶えてくれるレンズが SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary だった。

SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporaryの仕様

レンズ構成枚数 9群10枚

絞り羽根枚数 9枚

絞り開放 F2

最小絞り F22

最短撮影距離 27cm

最大撮影倍率 1:5.7

フィルターサイズ φ58mm

最大径 × 長さ φ70mm 65.4mm

質量 325g

ボディと組み合わせで1kgを切る軽量システム

SONY α7ⅢがバッテリーやSDカードを入れた状態で650gだから、このレンズとの組み合わせでは1kgを切る。軽い。嬉しい。

絞りリングを操作して絞りを調整する。もちろんボディだけでも調整できるが、一度この絞りリングを使用すると心地よい感触の虜になる。

重さはいつでも持ち出したくなる動機の阻害になりうるから、軽い方が正義だ。

かっこいい外観

あとはもう何といっても圧倒的な外観のかっこよさだ。

SIGMAもビルドクオリティにはこだわりぬいているようで、この軽量を実現しているのに金属製の外装を施している。
手に持ってみると金属特有の冷たさを感じられる。これが不思議と高級感を醸し出しているのだ。

このレンズをつけたカメラを首からぶら下げると、それだけでファッションになると思う。

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35mmは人生の視点

人の視界に近く、日常生活や旅行で使いやすい35mmは人生の視点を切り取ったともいえる。
望遠レンズの圧縮効果や、超広角レンズで撮影した歪みなど写真そのものにインパクトを与えることは難しい。見た景色を自然に写すことに特化しているから、普遍的な写真になりがちだ。

だから肩ひじ張らずに撮りたいものを撮る。写真の基本に立ち返ることのできるレンズでもある。

35mmで撮影した広島の街
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