NikonFE フィルムカメラ 福岡県

フィルムカメラ NikonFE で夏の福岡を撮影する

あうりん

あうりん

福岡在住。旅行と写真が趣味。
27歳のときに初めて島根を訪れて以降、山陰地方の魅力にハマりました。
使用機材はSONY α7Ⅲ、Nikon FE、GRⅢxです。
プロフィールはこちら→「どこか遠くへ行きたいと思った」

夏は意外と短い。

連日の猛暑で感覚が麻痺してしまうけど、よく考えてみると6月と7月は梅雨で空模様が悪い。

青い空に入道雲が広がるコントラストの高い夏らしい景色が見られるのは8月くらいだ。9月になると気温は高いけど夏かと言われると気持ちは秋に傾きつつある。

最高気温の高さ≠夏というわけで、つまり夏=8月の1か月ほどしかないんだ。

そんな貴重で短い2023年夏の福岡をフィルムカメラで収めてきた。

【使用機材】

カメラ:NikonFE
レンズ:AI Nikkor 35mm F2S
フィルム:Kodak COLORPLUS 200

福岡市中央区天神から博多駅までフォトウォーク

天神

まず西鉄電車に乗って天神までやってきた。

警固公園から三越方面を撮影。気温35度の猛暑だというのに公園には多くの人がいた。特にイベントが開催されているわけでもないのに、日差しを遮ることもない警固公園になぜ人が集まるのだろう。

夜になるとこの公園はトー横界隈のように治安が怪しくなるらしい。意図的に夜は近寄らないので実際のところはわからない。
昼間は家族連れ、公園を通り抜ける買い物客、弾き語りするストリートミュージシャン、ポートレート撮影をするカメラマンとモデルなどなど、まさに多様な景色を見ることができる。いたって平和な都心の公園だ。

 

天神北。

KBC前の歩道橋から電波塔を見上げるとちょうど飛行機が真上を通過しようとしていたので撮影した。

35mm単焦点レンズのおかげで空、電波塔、飛行機がバランス良く収めることができた。

 

そのまま反対側を向く。
さきほど撮影した飛行機が写真左上に移動している。

こちらは逆光気味なのもあり、雲が白飛びしてしまうほど夏の強い日差しが照りつけていた。

また再開発である通称天神ビッグバン真っ最中であることが4本のタワークレーンから見てわかると思う。

フィルムならではのレトロな雰囲気を感じつつ、写す風景は現代そのもの。この対比がフィルムのいいところだ。

 

天神5丁目の交差点にて。丸みを帯びた特徴的な形をしたバルコニーが並ぶ建物があり、フィルムの色調と合うんじゃないかと思って撮影してみた。

あまり建物に近づいて撮るか、もしくは望遠でフォーカスすると集合体恐怖症のような写真になりかねない。これくらいの画角で正解だった。

 

アクロス福岡の横を流れる那珂川の支流、薬院新川を撮影。

写真中央に博多ポートタワーが写っている。肉眼だともう少しはっきり見えていたんだけど、35mmのやや広角ぎみの画角とフィルム特有の表現によって曖昧な写りとなった。

 

薬院新川を渡ると天神中央公園西中洲エリアに入る。

ここには国の重要文化財に指定された20世紀初頭に建てられた貴賓館が現存している。

貴賓館の前には、各都市にありがちな都市名アルファベットのオブジェがある。このオブジェの背景が福岡らしい景色かと言われたら地元民としては疑問ではある。

 

那珂川を挟んで天神方面を撮影。

左側にある赤煉瓦の建物は旧日本生命九州支店の建物で、先ほどの貴賓館に続き国の有形文化財に指定されており、こちらはなんと東京駅と同じ建築家(辰野金吾)が建てている。

狭い範囲に歴史的な建物が前触れもなく現れる。景色の移り変わりが激しくおもしろい地域ともいえる。

中洲

橋の上から中洲の外観を撮影。

アクロス福岡からさらに東へ進むと那珂川が現れ、この川を越えた先にある街が中洲だ。

 

写真中央の赤い建物は一蘭の本社。行ったことはない。

手前のガラス張りのビルに反射する空が夏らしいと思って撮影してみた。

ちなみにこのガラス張りのビルは僕が結婚式を挙げた式場が入っていた。なおコロナ禍により撤退。無念。

 

右は歩行者専用の中洲懸橋で、左は春吉橋。

春吉橋は歩行者も通行できるからなぜこの至近距離に二本の橋が存在するのか。

右側の中洲懸橋は昭和23年までは「春吉橋」として運用されていたそうで、更にさかのぼること1687年に初めて架けられた橋であるということ。

昭和23年、福岡県を中心に開催された第3回国体に合わせ、左側の春吉橋が架けられた。

そのため右側の橋は取り壊されそうになったが、歴史的な背景もあり地元住民から反対され、結果として歩行者専用の中洲懸橋として現在も運用されている。

写真には収めていないけど橋のたもとにそのような説明書きが設置されてあった。

夏を撮りにきたはずがこれまで知らなかった地元の歴史を思わず知ってしまうことになった。写真は色々と勉強になる。

 

春吉橋からキャナルシティ博多方面を撮影。

空にそびえ立つ入道雲を収めるべく縦構図で撮ったが、それでも収まりきらないほどの大きさであることがわかる。

 

中洲の南端から、那珂川支流の博多川を撮影。

左側が中洲で右側が住吉。中洲の南端は歴史的にも相当古い建物が並ぶが、がっつりと風俗街のため昼間とはいえカメラを持って踏み込みにくい場所だ。

 

水分補給。アクエリアスを逆光で撮影。

博多

アクエリアス一本だけでは猛暑の中歩き続けた疲労を回復できなかったため、博多に行く前にカフェで一休み。

店内のクーラーによって冷え切った空気が最高に心地いい。

F2の明るさがあれば屋内でも余裕で撮影できる。

 

博多駅前の交差点を撮影。

 

博多駅前広場。

日傘でなんとか日光を凌いでいる。

 

歩道橋の上からJRの線路方向を撮影。

こちら側は強い日差しに照らされているけど、写真の奥の空はどんよりとした雲が広がっていた。

 

博多駅の屋上に出てみた。

天神方面を撮影。中央の背が高い建物が集まったエリアが天神。

写真には着陸態勢に入っている飛行機が写っている。

福岡では都心部上空をバンバン飛行機が飛んでいく光景が日常的に見られる。

 

同じく博多駅の屋上から撮影。

先ほどの写真では抜けるような青空だったけど、少し向きを変えるだけで夏らしい入道雲がある。

 

フィルム写真と夏の相性はいいかもしれない。冒頭でも述べたように夏は意外と短い。

この儚さを写真に収めるにはデジタルよりフィルムがちょうどいいと思った。

 

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