2023年11月24日(金)
前日の木曜日は勤労感謝の日で祝日だったため、この日は平日だった。
個人的繁忙期を乗り越えたご褒美としてこの日有給休暇を取得し、木曜日~日曜日の四連休を生成することに成功した。
ということでちょっとした一人旅をしたくなった。日帰りが前提で、ふらっと気軽に非日常感を味わえる場所に行こう。
やっぱり離島しかない。
今年の3月に同じような理由で宗像市の大島を訪れたため、今回は違う島に行ってみよう。
世界的にも有名な島へ
大島を訪れた後「次に行くのは相島かな」と漠然と思っていた。
やたら雑誌や書籍、ネットとかでよく相島の名前を目にしたからだ。一種のサブリミナル効果でもある。
相島は野良猫がたくさんいる島として日本のみならず世界的にも有名な島なんだ。
新宮町の沖合に浮かぶ小さな島。
というわけで今回は相島へ行くことにする。
港へのアクセス
より非日常を味わうために車ではなく公共交通機関を使って港へ向かう。
港へのアクセスは以下二通りある。
・JR九州 福工大前駅→コミュニティバス→新宮漁港
・西鉄新宮駅→コミュニティバス→新宮漁港
行きがけに博多駅で用事があったため今回はJR九州経由で行くことにした。
JR九州 鹿児島本線 福工大前駅からコミュニティバスに乗る
JR九州鹿児島本線 福工大前駅を降りると、駅前に小さなバス停がある。新宮町が運営するコミュニティバスのバス停だ。
小さなバス停ではあるけど、その行列は目を引くものがある。
ほとんどがインバウンド観光客で、しかも人種も様々。みんな相島へ向かうようだ。ここで早くも世界的な島であることを痛感させられる。
ほどなくしてバスがやってくる。地域のコミュニティバスだからなんともかわいらしい小ぶりのバスだ。
とはいえこの行列をバスの中に押し込むにはちょっと無理がある。
最後尾付近に並んでいた僕が乗った時点で車内はいっぱいいっぱいだった。これで平日というのだから恐ろしい。
ちなみにバスは前払いの一律100円で、福岡では珍しい前乗り後ろ降り形式。
現金のほかPayPayが使える。交通系ICカードは使えないので注意。
新宮漁港
バスに揺られること15分。新宮漁港に到着。
小さなバスに敷き詰めた多くの乗客たちが一斉に吐き出される。僕もそのうちのひとり。
漁港というだけあってこの港からは定期便は相島行きの船しか出航しておらず、基本的には小さな漁港だ。
片道480円(交通系含め各種電子マネー利用可)の切符を券売機で購入する。なぜか往復券がなく、帰りの切符は相島で購入する必要があるようだ。
さっそく写真右奥にも写っている船にいざ乗り込む。
一階の客室もよかったけどせっかくなので二階の展望デッキへ。
写真中央に防波堤で休む白猫がいる。
ここ新宮漁港にも何匹か野良猫がいて、なんだか猫による相島へたどり着く前のおもてなしのような印象を受けた。
そうこうしているうちに出航となった。
しかしここで展望デッキにやってきた船員さんから「今日は揺れるので波しぶきに気をつけてください」と注意を受けた。
口調からはいつものアナウンスですよ、みたいな平穏な雰囲気を感じ取ったので「まぁカメラが濡れないようにすればいいか」と考えただけで特に気にすることなく船は動き出した。
地獄
地獄かな? pic.twitter.com/nkPM29efuv
— aurin📷 (@rinnnrn) November 24, 2023
新宮漁港の防波堤を抜けた瞬間からジェットコースターのよう乱高下を繰り返す縦揺れ激しい絶叫マシンとなった。
とても立っていられない。カメラはすぐに防水バッグの中に入れたので事なきを得たが、それよりも何かに掴まっていないと日本海に投げ飛ばされそうだった。
この日は冬型の気圧配置で確かに陸地でも風はあった。ただ「風はあった」というレベルで、強かったわけではなかったのでこれは想像以上というか想像すらしていなかった。
近くのポールに掴まって揺れに合わせて屈伸したり体を動かしたりして「自分は船の一部だ」ということにした。
しかしこんな状況でも一階の客室じゃなく二階でよかったと思った。たぶん一階だったらこの後の散策が台無しになるレベルで悲惨なことになっていたと思う。
長い長い20分の航海を経て、船は相島港へ到着した。
ようやく島へ上陸した乗客は顔面蒼白。僕も船酔いこそしかなかったものの、しばらく地面が揺れているような三半規管のバグが続くことになった。
相島漁港内は嘘みたいに穏やかだ。
さっきまで信じられないほどの荒海を突っ切った勇敢な船を撮影。
本当は相島で海鮮を食べようと思っていたけど、帰りに満腹の状態で船に乗ると本物の地獄を見ることになるんじゃないかと思い昼食は断念した。いつかリベンジしたい。
猫パラダイス相島
相島に上陸してすぐに出迎えてくれたのが招き猫。
やっぱり猫が主役なのかとわくわくさせてくれる。
島を散策する前に帰りの切符だけ買っておこうと思い、渡船待合所へ行くことにした。
切符を購入したのち、外に出ようと振り返ると椅子に猫が座っていたのを見つけた。
あまりにも普通に座っていたので待合所に入るときには気づかなかった。
一枚撮影しようとカメラを構えると、外からもう一匹扉の前までやってきた。
人にもカメラにも慣れているようだ。マニュアルフォーカスのNikon FEで、しかも屋内での撮影となるからシャッタースピードに気をつけないといけないんだけど、わかってますよと言わんばかりに動かずじっとしてくれていた。ありがたい。
さて島を散策してみようと歩いてみるとまぁ猫が多い。
小さな島の郵便局の傍らに、
防波堤の縁にある公園に、
丘へ続く細い道に。
とにかく猫が多い。猫が多いだけでなく、なぜか猫の方から寄ってくる。離れていても寄ってくる。こんなに猫に好かれた日はない。
坂の上から撮影。
この写真の中でも三匹くらいいるだろうか。もっといるかもしれない。
警戒することなく猫が寄ってきてくれるので猫好きにはたまらない島だろう。
猫が目立ってしまうけど島はこんな感じで潮風によって朽ちたガードレール(?)があって味わい深いものが多くある。
しかし猫ばかり撮影していたためフィルムが切れてしまった。
ただ今回の船旅ではフィルムカメラのほかにGRⅢxとα7Ⅲも持ってきた。
別記事としてそれぞれ執筆しよう。