山口県萩市から島根県益田市に向かう道中のこと。
左手を日本海、右手をJR西日本山陰本線に挟まれた国道191号線を走行していると、唐突に宇田郷駅が現れた。
最初は駅とわからずに建築事務所か何かかと思ったけど、カーナビを見ると確かに山陰本線の駅だった。
思わず立ち寄ってみたくなる衝動に駆られた。
山と海に挟まれた小さな無人駅を散策してみたので今回はその宇田郷駅について記事を書く。
※訪問日 2022年11月3日
駅前は国道と日本海
山口県阿武町に位置する無人駅で、駅前には商業施設もなければ民家もない。
あるのは国道と日本海だけだった。
人の気配を感じることができないこのエリアに駅がポツンと存在することが不思議だったし、
一応という形で駅前に設置された自転車置き場からは哀愁しか感じられなかった。
残念ながら護岸工事中(2022年11月現在)
日本海がすぐそこに見えるのに、ホームから海方向に体を向けると視界に入ってくるのは工事中の壁。残念ながら2022年11月時点では護岸工事の真っ最中で、ホームから絶景を眺めることはできなかった。この工事が始まる前までは確かに日本海が眼前に広がっていたらしい。
2019年時点でも護岸工事が行われていたようだから、少なくとも3年はこの状態。
この工事が無事に終了することを祈りつつ、再び日本海が広がる絶景に出会えることに期待する。
駅散策
かつて使われた複線
列車が訪れる気配が一切感じられない。ホームの端まで行くとすっかり草木が伸びてしまっている。もちろん駅で列車を待っている人もいなかった。
写真を見るとわかる通り、線路が二本敷かれている。この路線は基本的に単線だが、宇田郷駅では2018年ごろまで上下線に列車が入線していた。
そのため宇田郷駅は複線となっている。
しかし使われることはもうないという事実が駅から漂う寂しさを増長させている。
簡素化された駅舎
宇田郷駅の外観は駅舎、公衆電話、郵便ポストだけの超シンプルな設備。
駅舎なんて特にメタリックで近未来な雰囲気さえ感じられる。
元々は立派な駅舎が建てられていたが、古くなってしまい2019年3月に現在の簡素な駅舎に建て替えられた。
ところでこれを駅舎と言っていいのかは疑問ではあるんだけど、一応切符の回収箱、ベンチ、鉄道情報、時刻表と必要最低限の設備が整っている。
時刻表を見る通り一日上下線合わせて14本のみの運転となっている。1本逃すと一日の予定が全て変わってしまう大惨事となる。絶対に乗り遅れてはいけない戦いがそこにある。
徒歩10秒で絶景
駅そのものは寂しさを感じるものなんだけど、目の前の国道を渡ってしまえばすぐに絶景と出会うことができる。
やっぱり青く広がる海と空はどうしたって美しい。
国道と言っても車の往来は激しくなく、見通しもいいため簡単に横断することができるから安心してほしい。
所在地は山口県阿武町
宇田郷駅があるのは山口県阿武町だ。
駅前に車を駐車するスペースがある。
本当は今後の山陰本線維持のために鉄道で訪れてほしいんだけど、
ここで降りると行きも帰りも途方に暮れてしまいかねない。
それほど孤立した場所に宇田郷駅がひっそりと佇んでいる。
今回使用したカメラとレンズ
ボディ:SONY α7Ⅲ
レンズ:FE 24-105mm F4 G OSS (型名)SEL24105G